菌活で調和と循環を保って健康になる方法

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草花や木々が、青く色づく季節となりました。

唐突ですが、ここ日本は有難いことに四季折々の移ろいが在り、その故とても美しく、そして情緒豊かな国だと思います。

視野を地球全体に広げてみても、そんな素晴らしい自然や人と、あらゆるものが調和しあって生きていきたいものです。

さて、私たちを当たり前のように取り巻く環境や土壌、河川などには数多くの菌や微生物たちが存在します。

そんな菌や微生物が関与する食品の状態の変化について、人間の生活にとって有益な反応・変化を「発酵」と呼んでいます。

そうではない反応を「腐敗」と呼び、それは嫌な臭いの元となる物質を生産することがあります。

どちらも、微生物の働きにより、食品中の物質が変化して、元の状態とは異なった物質になります。

微生物の持つ酵素は、食品成分のタンパク質や炭水化物を分解して、アミノ酸やブドウ糖に変化させるのですが、このときに、微生物自身が必要なエネルギーや成分を取り込みます。

そして、残った分解産物が、人間の生活にとって有益なものであれば発酵食品になります。

しかし、かなり腐敗が進んだ食品は、臭いや見た目で分かりますが、食中毒菌が付着した食品かどうか、臭いや見た目で判断することは大変難しいケースのものもあります。

一般的に腐敗菌によって腐敗した食品は、嫌な臭いやねばりなどで腐っていると判断しますが、食中毒菌が食品中で増加し、菌の種類によっては毒素を産出していたとしても、見た目も変わらず、臭いも無いものも多いので、危険であると判断することがなかなかできません。

それだけではなく、臭いや食品の状態から、発酵であるか腐敗であるかを確かめる基準も様々です。

例えば、私たち人間の身体に有益とされている納豆なども、海外では腐敗した食べ物として判断され、好んで食される方も少ないですし、逆に世界一臭いとされるシュールストレミングなるニシンを発酵させた食品は、私たち日本人にとっては、腐敗した食べ物として受け入れ難いものでもあります。

つまり、その食品が発酵しているのか腐敗しているかは、私たち人間の主観ともとれるのです。

そしてそれは、どんな文化の中で、どのような価値観を共有してきたかで決まるとも言えます。

発酵食品では、発酵菌(乳酸菌など)が優勢な環境下では、腐敗菌の侵入を防ぐため、食品は腐り難くなります。

味噌や醤油の場合、それ自体が塩分濃度が高いので、腐敗を防いでいるということもあります。

しかし甘酒の場合でいえば、発酵食品ではありますが、温度や湿度など適切に管理されていなければ、雑菌が繁殖し腐ります。

やはり発酵と腐敗の違いは、塩に含まれるミネラルなどの影響と、繁殖する菌の種類によって決まるのではと思います。

それに加えて、腐敗しているかどうの判断がし難いものであったものも同様で、繁殖した菌の種類によって、私たちの身体を基準として有害であるか有益であるかを判断しているのではないかと感じます。

では、この世界から腐敗が無くなったらどうなるのでしょうか?

良いことは、木が腐らなくなるので、木造建築がいつまでも綺麗なまま残る事が可能になります。

逆に木が腐らなくなるという事は、森林での落ち葉がいつまでも綺麗なまま残ってしまいますので、山の保水力が無くなり洪水が起こりやすくなり、また腐葉土が出来ず栄養が循環しなくなるので、森林の成育が不良になってしまう様な事態が発生します。

さらに、栄養が川に流れ込まないので、魚の生育も悪くなる可能性まで考えられます。

この様に、今まであった物質循環の大きな部分を腐敗(微生物)が担っていますので、腐敗だけを無くすことは出来ないと考えます。

そう、人間にとっての有益な事象が発酵であり、有害となる事象が腐敗。

とどのつまり、発酵・腐敗のメカニズムは、自然界という大きな視点では、全く同じという事なのです。

どちらも微生物の働きによって、有機物を分解して新しい物質が生成されますので、自然界において大きな循環を生み出し調和を保つために、とても重要な役目を担っているという点に差異は無いのです。

そして、そんな菌たちは、私たちの身体にも存在します。

ちなみに昨今、世間ではやたら除菌することを推奨されていますが、私たちとって有益な菌や微生物も失われていることをご存知でしょうか?

それによって、私たちの身体のバランスや調和が崩れて、皮膚だけでなく、いろいろな疾患に悩まれている方々が多く存在されます。

特に腸内環境の悪化によって、様々重篤な病気へと発展するケースも、最近は多く見受けられます。

私たち人間の腸には数100兆個もの細菌が生息していると云われ、その重さは約1.5〜2キロにも及ぶそうです。

腸内細菌は、種類ごとに分かれて集落を形成しているのですが、その様子がまるでお花畑のように見えることから、「腸内フローラ」と呼ばれるようになりました。

そんな腸内フローラは一人一人異なり、3〜5歳くらいまでに腸内の菌種のパターンができあがると云われています。

理想的なバランスとは?

腸内フローラを構成する細菌は大きく3種類に分けられ、「善玉菌・悪玉菌・日和見(ひよりみ)菌」のバランスが、「2:1:7」の状態が理想的だとされています。

善玉菌

私たちの体にとって、ほぼ有益と思える働きをする菌のこと。

ビフィズス菌などの乳酸菌などが該当します。

善玉菌は食物に含まれる糖分や食物繊維を分解して、乳酸や酢酸、各種ビタミンなどを生成し、腸内を弱酸性の状態に保つことで、悪玉菌の侵入や増殖を防いでくれます。

また、腸内の有害物質を、体の外へ排出する働きもあります。

悪玉菌

私たちの体にとって、ほぼ有害と思える働きをする菌のこと。

ウェルシュ菌・黄色ブドウ球菌・病原性大腸菌などが該当します。

悪玉菌は食物に含まれる動物性蛋白質や脂質を分解し、便として排泄処理するという働きがあります。

ただし、腸内で悪玉菌が増え過ぎると便秘や下痢・肌荒れ・アレルギー等の体調不良を引き起こします。

便やおならの悪臭の元も、悪玉菌の働きによるものです。

日和見菌

善玉菌にも悪玉菌にも属さない菌のこと。

バクテロイデス・大腸菌(無毒株)などが該当します。

日和見菌は、腸内において多い方の菌と同じ働きをするといわれています。

腸内フローラの菌のバランスは、加齢・食生活・疲労やストレスなどによって日々変化するものです。

なかでも腸内のビフィズス菌は、年を重ねるごとに残念ながら減少していくことが解っています。

年齢によるものは変えられませんが、腸内環境は食べたものに大きく左右されるため、毎日の食生活で腸内フローラを整えることができます。

例えば、肉類や魚介類・卵・乳製品など、動物性たんぱく質や脂質の多い食事に偏ると、それらを分解する悪玉菌が増えてしまうため、注意が必要です。

一方で「プロバイオティクス食品」を食べることで善玉菌を増やしたり、「プレバイオティクス食品」をとることで善玉菌の働きを活発にしたり、腸内の環境を整えることができます。

なお、プロバイオティクス食品とは、善玉菌を含むヨーグルト・乳酸菌飲料・漬物・納豆・味噌・酒粕などの発酵食品のこと。

プレバイオティクス食品とは、善玉菌の”エサ”となる食物繊維やオリゴ糖などを含む海藻・いも類・果物・野菜・大豆・きのこ類などのこと。

また食事だけではなく、適度な運動をすることで腸が刺激され、活性化するといわれています。

このように私たちの腸は小宇宙とも云われています。

自然界において、菌や微生物たちと共に調和をとることで大きな循環を生んでいくわけですから、私たちの身体も同様な事象・作用が起こっているということに繋がります。

腸内に存在する悪玉菌には悪いイメージがありますが、私たちの身体に大切な働きをしてくれる必要不可欠な存在です。

前述した通り、その働きは、肉類などのタンパク質を分解して、便として処理排泄するという動物にとってなくてはならないものです。

そう、菌や微生物たちが、自然界においてバランスを保ってくれているだけでなく、身体の健康にも非常に大切な役割を果たしてくれているわけです。

菌に対しての認識の誤解から、人間にとって有害な菌を除菌することで健康を保てると考えておられる方も多いのではないかと思います。

そして、除菌をすることで、安心感を得ようとしてしているように感じます。

しかし、それ以前に、私たち一人一人が食生活や生活習慣を見直し、自分の身体を整えていくことが大切なのではないでしょうか。

そして、ただ単に有害だから排除するという事ではなく、全てはバランスで成り立っているものなんだと知り、そこから考える事が大切なのではないかと思います。

色々な観点から、有害である、または有益であると決めているのは、私たち人間であると言えます。

腸内での問題からも分かるように、私たちにとって善玉菌も悪玉菌も存在するわけで、両存在とも現実にそれぞれの役目が有るのです。

その腸内環境のバランスを取ることで、私達は身体の健康を維持しています。

ですから、菌や微生物たちと共有しながら、私たちの身体に良い循環をもたらし、私たちにとって有害となる菌を無くすのではなく、有害とならないようにバランスをとっていく事が大切なのだと考えます。

そして、私達の身体や自然界において、大きな循環をもたらすことで、いつまでも健全であり、健康という切符を手に入れることができるのではと思います。

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