意識の仕組みが解れば健康になれる

新年、あけましておめでとうございます。

最初に、皆さまもうすでにご存じのことと思いますが、今年は年始早々より、石川県能登地方におきまして大地震などが起こりました。

被災されたお一人お一人のご無事と、少しでも早く穏やかな生活に戻られますことを、心よりお祈り致しております。

さて、本日のお話ですが、宇宙は「創造」「維持」「破壊」を繰り返し、そして「破壊」の後は、再び新たなる宇宙が「創造」されると考えられています。

 ここでいう宇宙とは、私たちの周りに広がっている自然界や世界そのものを指しますが、この自然界の全てのものもまた「生成」「変化」「消滅」を繰り返し、常に移り変わっていくとされています。

以前お話しさせて頂きました「アーユルヴェーダ」の世界観において、移り変わるこの世界の創造の始まりは、「プルシャ(純粋意識)」と「プラクリティ(根本原質)」からなると云われています。

「プルシャ」は、自然界や世界の全てのものを内包する、静的で純粋な「意識」と考えられています。

そしてこの静的な「意識」に対し、自然界や世界を生み出す動的なエネルギー「プラクリティ」の存在も語られていて、この二つの存在こそが世界創造の始まりであると説かれています。

そんな物質的な要因のプラクリティと、そこから生じた感覚を受け取るプルシャの両方で世界は成り立っています。

そして、ブラクリティにより最初の創造物「マハト(普遍知性)」が生み出され、この普遍知性は意識に「自我」をもたらします。

自我をもたらしたプラクリティは、3つの「グナ(性質)」で構成されており、それは各々「サットヴァ(純性)」、「ラジャス(動性)」、「タマス(鈍性)」と呼ばれる心の基礎的なエネルギーといわれています。

そのサットヴァ(純性)、ラジャス(動性)、タマス(鈍性)は、私たちの心身においては、主に心に働きかけるエネルギーとされています。

それぞれの性質は下記のとおりです。

  • サットヴァ:汚れないもの、軽い、照らし輝く、調和、軽い、幸福、知識
  • ラジャス:激しい動き、激情、渇愛、執着、行為、躁状態、貪欲
  • タマス:濁っている、思い込み、怠慢、怠惰、睡眠、怠慢、迷想、無活動

プラクリティがプルシャと出会って活動を始めて、最初に優勢になったのはサットヴァです。

サットヴァは限りなく純粋な状態。つまり、プルシャに近い状態です。

その後、活動的なラジャスが活発に動くことにより、タマスも活動を始めて様々な性質をもった存在が生まれました。

私たちの精神性は、サットヴァが優勢になると上昇し、ラジャスが強くなると中間に留まり、タマスが優勢になると下降します。

私たちは純粋なプルシャ(幸福)に近づくために、自分自身のサットヴァ性を上げなくてはならないといわれます。

それぞれ三つのグナのエネルギーの増減によって、心の健康状態や感情の起伏に変化を与え、肉体的な健康にも影響を及ぼすものとアーユルヴェーダでは考えられています。

世の中のあらゆるものは、3つのグナで構成されています。

できるだけサットヴァ性が多く、タマスが低いものを自身に取り入れることによって、自分自身の意識を高い次元(本来あるべきプルシャに近い状態)にもっていくことができます。

ここで、知っておきたいことは、「プルシャ」と「プラクリティ」からなる二つの意識で、私たちの心や身体が作られているということ。

プルシャは、私たちの本来の意識でもあります。

そう、元々は一つの意識であること。

宇宙においての集合的無意識の中で、私たちは繋がっているのだということです。

グナと言われる自我によって「個」であると認識し、他者と比較することで、自分という存在価値を見出そうとしてしまいます。

これが発展することで競争を生み、争いやストレスなどで私たちの心身へと影響を与えるのです。

元を正せば、私たちの身心の健康の鍵はここにあるのかもしれません。

まずは、自分の中にある自我を受け入れて、本来の自分は、純粋意識であるプルシャの一部であることを認識することから。

そう、プラクリティの全ての活動は、プルシャのための活動でもあります。

自分自身の純粋さを高めていくことで、自身の本質を知ることができるからなのです。

そのために3つのグナがあり、本来のプルシャの状態に到達することで、プラクリティは活動の目的を果たし、本来の姿である永遠の平穏さを手に入れることができるのです。

そんな本来のプルシャに近づくために、私たちが出来ることを少しご紹介します。

まずは、私たちの身体をつくる食べ物から見てみましょう。

サットヴァ性の食べ物

  • 新鮮なもの、軽いもの、調理したばかりのもの、長時間調理していないもの。
    例)新鮮な野菜、果物、豆、シンプルな調理のもの、消化しやすいもの

ラジャス性の食べ物

  • 刺激の強いもの、辛味、苦み、酸味などがあるもの。
    例)辛味スパイスの多い料理、コーヒーなどのカフェイン飲料

タマス性の食べ物

  • 一度調理したあと時間が経って温め直したもの、古くて新鮮でないもの、加工し過ぎたもの。
    例)インスタント食品、保存料の入ったもの、前日に調理した料理、お酒、カフェイン飲料(一度活発になった後、タマス性が上がる)、砂糖の多く含まれたもの

ライフスタイルによっては、常に新鮮な野菜ばかり食べられないこともあるでしょう。

しかし、できるだけ身体に良くないものを減らす努力は難しくありません。

お酒を飲まないと寝れない、コーヒーを飲まないと集中できない……。

このような習慣を変えるだけでも効果がとても大きいです。

次に、それぞれのグナの心理状態を知ることも必要になります。

自分自身の思考の状態を観察してみましょう。

自分の思考の状態が、どのグナに当てはまっているかを観察することも、とても役に立ちます。 

すぐにサットヴァ性の思考に変更することは難しいですが、現状を理解することで冷静になり、対処法が分かるようになります。

サットヴァ

  • 穏やか、安定、長く続く幸福感、寛大、温かい愛、集中力

ラジャス

  • 感情的、渇愛、執着、切迫感、短期の極端な楽しみ、貪欲、集中力がなく落ち着きがない

タマス

  • 怠け、やる気のなさ、眠気、思い込み、妄想、答えの出ない悩み

このように自身の心の状態を観察すると、どのグナが優勢になっているかを観察することが出来ます。

その上で、心の状態をサットヴァへと持って行くために、深呼吸をしたり、瞑想やヨガ、お風呂の湯船でゆったりと過ごしたり、好きなアロマや音楽で五感を心地良くさせてあげることも大切です。

そして、出来るだけ丁寧に物事をこなし、いつも発する言葉も、自分や相手にとって心地良い言葉を使ったりすることを心がけると良いかと思います。

そんなご自身にとって出来る範囲のことを積み重ねることで、心身の健康や豊かさに繋がります。

私たち一人一人が、自分自身の身体を大切にすることで、心身が健康になり、そんな中健全なる意識が高まり、やがて数多くの人々と繋がる集合的無意識へとそのエネルギーが波及します。

幸福感をもたらすサットヴァに近い意識が増えることで、たくさん人々の意識にも影響を及ぼし、地球だけでなく宇宙全体にも広がっていきます。

そんな穏やかで豊かなエネルギーが、全てを変えていくのだと思います。

今、このような大きく変わりゆく時代であるからこそ、私たち一人一人が、まずは自らの意識をサットヴァ性へ近づけていくことが、とても大切なことではないでしょうか。

そう、この世は他者に作られた世界ではなく、繋がっている私たち一人一人の意識で作られていることを、改めて知る時に来たのではないかと感じます。

今回は、かなり特殊な単語が多く難解な感じの文章となってしまいましたが、最後まで読んで頂きましてありがとうございました。

☆☆☆☆☆☆☆

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です