天使か悪魔か?人工甘味料アスパルテーム
いつもご覧頂きまして、ありがとうございます。
さて、甘いものには目がないという方は多いのではないでしょうか?
そんなダイエットを気にする人のために出来たのが、アスパルテーム(aspartame)です。
カロリーが低くて少量で甘さを感じられる、夢のような人工甘味料です。
日本でも多くの飲料水や食品に添加されています。
しかし、このアスパルテームは、現在でも安全性・危険性に関して最も論争がある人工甘味料の一つでもあります。
なお、アスパルテームはL-フェニルアラニン化合物と表記されている場合もあり、注意が必要です。
そこで、なぜ危険と言われるのかを検証してみました。
アスパルテームの安全性を巡る疑惑の原因は、その構造にあります。
アスパルテームは天然には存在しない化合物です。
経口摂取されると、小腸でフェニルアラニン(50%)とアスパラギン酸(40%)というアミノ酸と有毒なメタノール(10%)に分解(消化)・吸収されます。
その後、通常のアミノ酸と同じ様にタンパク質に合成されたり、脱アミノ化された後にエネルギー源として分解されたりします。
そのそれぞれの成分が、健康被害をもたらすと考えられています。
《アスパルテームの安全性への危惧》
■メタノール(メチルアルコール)
メタノールは猛毒です。飲むと失明、最悪の場合は死に至ります。
第二次世界大戦後、物資が不足した日本では酒の代わりに飲まれた事例もあったそうです。
メタノールは「目散るアルコール」と呼ばれ、「絶対に飲んではいけない」と理科の先生から教えられたものです。
この現代でも、世界中でメタノール入りの酒により集団で命を落としたというニュースを見聞きします。
■アスパラギン酸
アスパラギン酸(aspartic acid)は、アスパルテームの40%を占める非必須アミノ酸の一つです。
「興奮性神経伝達性物質」とよばれ、神経から神経への情報の伝達の介在をします。
しかし、過量だと「興奮毒」として神経細胞に障害を与えてしまいます。
アスパルテームは、成分としてアスパラギン酸だけでなくメタノールも含んでいます。
そして、アスパルテームの分子特性上、メタノールとアスパラギン酸がそれぞれ単独で存在しているより500~5000倍も毒性作用を高めてしまうという説もあります。
■フェニルアラニン
フェニルアラニン (phenylalanine)は神経伝達物質の一つで、脳内でドーパミン、ノルアドレナリンに合成されます。
ドーパミン、ノルアドレナリンは脳を大いに覚醒し、幸福感を与えるホルモンです。
いずれもヒトの体内にあるものではありますが、フェニルアラニン単体で摂取すると脳細胞を過剰に刺激し、時に死に至るほどの興奮性毒となり得ます。
つまりは、摂取するだけで強制的に「ハイ」になってしまうわけです。
さらにその影響からか症状として脳障害や頭痛、躁鬱、不眠症、知能低下など脳への影響が懸念され、間接的に皮膚や血液のガンなどが増えるという研究結果もあり、また、暴力性が高まるともいわれています。
これらの研究対象はほとんどラットであり、投与量も多過ぎると指摘する声もあります。
しかし、アスパルテームのような合成甘味料を「長期間、大量に摂取した人間への影響」は、これから検討されるべき課題ですが、動物で危険性が指摘されている以上、できれば避けるのが賢明ではないでしょうか。
しかし、それだけではない、今の社会を象徴することが起こっていたのです。
それは、一言で言うと「利権」です。
■アスパルテームを巡る疑惑
現在、アスパルテームは世界の120以上の国で使用され、70以上の公的機関が、その安全性を保障しています。
しかし、生まれ故郷の米国では、FDA(食品医薬品局)に食品添加物として認可を申請する前から、論争の的になっていました。
現在でも数多くの現代病の原因とされ、健康被害を訴える多くの人々が訴訟を起こし、少なからぬ数の科学者や医師が科学的見地から、その危険性を本やインターネットを通じて訴え続けています。
《企業から資金提供を受けている独立研究機関》
米国ノースイースタン・オハイオ医科大学のラルフ・G・ウォルトン博士(精神科医)がアスパルテームを巡る論文を検証しました。
そのうち、アスパルテーム製造企業から研究費を提供された研究機関からの74論文すべてが、「アスパルテームは安全である」と結論しています。
それに対し、製造企業から資金提を供受けていない独立研究機関からの90論文のうち83論文が、「アスパルテームは脳腫瘍などの致命的な健康被害をもたらす危険性がある」と結論しています。
それを裏付けることとして、1973年米国サール薬品は、色々と問題のあったアスパルテームを米国FDAに承認許可申請を行いましたが、後8年間は「問題あり」とのことで認可されませんでした。
しかし、サール薬品が1970年代のフォード政権で国防長官を務めていたドナルド・ラムズフェルトをCEO(最高経営責任者)に迎えると事態は急変します。
彼は国防長官を退官した後にサール薬品のCEOに就任しました。
当時、彼はフォード政権からレーガン政権へ変わる時に政権移行作業チームのメンバーも務め、レーガン政権下における新しいFDA局長にアーサー・ヘイズを指名しました。
そして、1981年にレーガン政権が誕生した翌日、サール薬品は再びアスパルテームの認可申請を出し、新しく就任したばかりのヘイズ局長が、長年禁止されていたアスパルテームを一転して承認します。
これはラムズフェルトが、政治的立場を利用して可能にしたことだったと言われています。
また、先述のラルフ・G・ウォルトン博士が検証した独立機関からの論文のうち「安全であると」結論した7つの研究のうち6つはFDAによって行われたものでした。
これらの実験に関わったFDAの職員の多くは、その後アスパルテーム製造企業に職を得ています。
如何でしたでしょうか?
残念なことに日本人の多くが、こういった事実を知らずにアスパルテームの入った食品を口にしています。
私たちを取り巻く環境は、本当に安全安心なものであるのか?
日本の食は安全であると信じて来られている方は多いと思いますし、そう願いたいと思います。
しかし、色々な現状を私たち一人一人が見極め、政府や企業が本当に私たちのことを考えて、食品や環境の安全を守ってくれているのかと疑問に思うことは、僅かながらでもこれからの日本や世の中を良くしていくことに繋がるのではないかと感じております。